フランス:所得税の最高税率75%へ引上げ

映画「隣の女」のG・ドパルデュー
映画「隣の女」のG・ドパルデュー
映画「カミーユ・クローデル」のG・ドパルデュー(ロダン役)
映画「カミーユ・クローデル」のG・ドパルデュー(ロダン役)

昭和50年代後半、蔵相が竹下登さんor渡辺美智雄さんの頃、信託協会の大会で松下幸之助さんが蔵相・日銀総裁に続いて壇上で挨拶されました。「自分の所得税率は75%なので結果として収入の内から25%が手取りになっている」 「これは税引きと言うより自分としては国からの手数料と認識している」という趣旨のお話しでした。

 

フランスでも高額所得者への最高税率が41%から75%に引上げられ著名人の国外脱出が報じられています。フランス憲法会議は、夫婦とも収入はあるが各々100万ユーロ以内の場合と一方だけ収入があり100万ユーロ超の場合とでは前者の方が世帯年収は高いのに税率が低くなる点を「税の公平性に反する」と201212月に違憲としましたが、75%自体を否定したものではなくフランス政府は税率引上げ法案を再提出する意向と報じられています。

 

著名人の国外脱出は、俳優のジェラルド・ドパルデュー氏が税率13%のロシアへ、ルイ・ヴィトン総帥のベルナール・アルノー氏(資産額フランス1位、世界4位)がブリュッセルに自宅のあるベルギーへ、料理シェフのアラン・デュカス氏は自ら経営するレストランがあるモナコへ それぞれ国籍を取得する形で脱出との報道です。

 

日本の現在の最高税率は、課税所得1,800万円以上で40%ですが、これは昭和60年代以降の最高税率引き下げの結果で、同じ時期に3%で導入された消費税により「クロヨン」「トーゴーサン」と言われた税務署による所得捕捉率の業種間格差と、直間比率(税収に占める直接税と間接税の比率)の是正路線に沿ったものでした。

 

マックス・ウェーバーによれば「税は国による合法的な暴力」であり、ハーバード大学マイケル・サンデル教授の「これから正義の話をしよう」(早川文庫)では「課税に正義はあるか」として、個人所得に対する国の課税は外交・防衛等に必要な最小限の範囲とすべきで、税金を所得再分配の原資にするようなことは許されないと主張するリバタリアンの理論(米:共和党の基本路線)が議論のテーマとして紹介されています。

 

1789年フランス革命の三色旗が表わす ブルー():自由、ブラン():平等、ルージュ():博愛 の内アメリカはブルー():自由 以外の旗を降ろしていると言われる中、本家本元のフランスは三色とも諦めず追及し苦しんでいると言われています。

リトラルの紹介

H249月「風景スケッチの制作・販売」と[ビジネスセミナー実施を事業内容に個人事業としてリトラルを開業しました。

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[littoral]はフランス語で[海岸の]という意味の形容詞です。

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     代表 尾形耕太郎
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